■大井競馬が馬インフル過剰反応で開催中止
大井競馬場の入り口に張り出された、開催中止の告知を見る競馬ファン 大井は「シロ」だった。大井競馬を主催するTCK特別区競馬組合は18日、インフルエンザ発症が疑われる馬1頭が確認されたために開催中止を決定。ところが、それから約4時間後の検査で陰性と判定された。お盆休み中の土曜ナイターで、しかも競合する中央競馬が中止となる絶好の書き入れ時だったのに、予想された売り上げ約20億円はパー。地方競馬にも飛び火した流感騒動は、さまざまな形で人も馬も苦しめている。
大井競馬で悲劇の一報がもたらされたのは、18日午前7時だった。JRA栗東トレーニングセンターから9日に大井に転入したばかりの馬を預かる調教師から申し出があり、39度5分の発熱(平熱は約38度)と鼻汁の症状が確認された。折しも中央競馬で17日までに49頭の馬インフルエンザ感染が明らかになり、その中には栗東所属馬も多数いる。栗東で感染して大井で発症したと想像するには難くない。朝の時点で簡易検査キットがなく判定は不可能だったが、感染を疑うには十分な状況にあった。
主催者のTCK特別区競馬組合では対応を検討。午前11時半には浦和、船橋、川崎、小林分場所属の馬を競走除外として、大井所属馬だけで開催する決定を下した。その後、再度検討して午後0時半に開催中止を決定。午後4時からの会見で塚田修開催執務委員長は「混乱についてはおわびを申し上げます。1度は開催を決めたが、これでいいのかという思いがあった。疑いがある以上、より慎重な対応をしなければいけないと思い直した。公正確保、防疫強化の観点から、あらためて開催中止を決定しました」と述べた。
皮肉にも被疑馬の陰性が分かったのは、会見の直後だった。発注していた品薄の検査キットが到着。会見の最中に検査が始められ、午後4時45分に陰性と判定された。結局は馬インフルエンザではなく、夏風邪だった。松本忠友開催管理課長は「正直、ホッとしている。ただ、症状として出ていない馬もいるかもしれない。引き続き健康管理には十分に対応していきたい」と、胸をなで下ろしながらも気を引き締めた。
一方、中止による損失は計り知れない。この日はお盆休み中の変則開催で、通常行われない土曜ナイターだった。しかも、競合する中央競馬が中止。気温は連日の猛暑から約25度と涼しくなって、これ以上ない集客条件がそろっていた。ある関係者は「G1級の対応をしていたのですが…」とため息をつく。見込まれた入場者数は、流れ込む中央のファンを含めて通常の3倍にあたる3万人。売上も倍の20億円が期待された。少なくとも朝までに検査キットが用意されていれば開催は可能だっただけに、泣くに泣けない。
流感による開催中止は71年以来2度目。今後、南関東4場ではJRA所属馬、他地区地方競馬所属馬、南関東地区内の競馬場間で転厩する馬、牧場からの入厩馬を制限して防疫を徹底する。20日からの船橋開催、9月2日からの大井開催は予定通り行われるが、ウイルスの侵入阻止が大前提となる。
(2007.08.19 日刊スポーツ)
→か、勘違い!? それはモッタイナーイ! 特に「G1級の対応をしていたのですが…」というのが泣かせる。今後、競馬関係者はこの20億を深く心に刻み、常に先手の動きを心がけないと。
対して、競輪・競艇など他競技はやはり好調だった模様の昨日。深夜のニュースで「1万人近い客でごった返す多摩川ヒラ」の映像が流れたのにはビックリ。本日が二日目の競輪・小田原記念などは、ひょっとすると売上新記録が狙えそうな勢い。うーん、なんて運の良い…。こうなったら選手も精一杯良い競争を見せて盛り上げてほしいものだ。小田原記念といえば、昨年は落車が頻発して、私自身が「落車撲滅運動」を始めたきっかけになった開催。あれからもう1年か…(しみじみ)。
大井競馬場の入り口に張り出された、開催中止の告知を見る競馬ファン 大井は「シロ」だった。大井競馬を主催するTCK特別区競馬組合は18日、インフルエンザ発症が疑われる馬1頭が確認されたために開催中止を決定。ところが、それから約4時間後の検査で陰性と判定された。お盆休み中の土曜ナイターで、しかも競合する中央競馬が中止となる絶好の書き入れ時だったのに、予想された売り上げ約20億円はパー。地方競馬にも飛び火した流感騒動は、さまざまな形で人も馬も苦しめている。
大井競馬で悲劇の一報がもたらされたのは、18日午前7時だった。JRA栗東トレーニングセンターから9日に大井に転入したばかりの馬を預かる調教師から申し出があり、39度5分の発熱(平熱は約38度)と鼻汁の症状が確認された。折しも中央競馬で17日までに49頭の馬インフルエンザ感染が明らかになり、その中には栗東所属馬も多数いる。栗東で感染して大井で発症したと想像するには難くない。朝の時点で簡易検査キットがなく判定は不可能だったが、感染を疑うには十分な状況にあった。
主催者のTCK特別区競馬組合では対応を検討。午前11時半には浦和、船橋、川崎、小林分場所属の馬を競走除外として、大井所属馬だけで開催する決定を下した。その後、再度検討して午後0時半に開催中止を決定。午後4時からの会見で塚田修開催執務委員長は「混乱についてはおわびを申し上げます。1度は開催を決めたが、これでいいのかという思いがあった。疑いがある以上、より慎重な対応をしなければいけないと思い直した。公正確保、防疫強化の観点から、あらためて開催中止を決定しました」と述べた。
皮肉にも被疑馬の陰性が分かったのは、会見の直後だった。発注していた品薄の検査キットが到着。会見の最中に検査が始められ、午後4時45分に陰性と判定された。結局は馬インフルエンザではなく、夏風邪だった。松本忠友開催管理課長は「正直、ホッとしている。ただ、症状として出ていない馬もいるかもしれない。引き続き健康管理には十分に対応していきたい」と、胸をなで下ろしながらも気を引き締めた。
一方、中止による損失は計り知れない。この日はお盆休み中の変則開催で、通常行われない土曜ナイターだった。しかも、競合する中央競馬が中止。気温は連日の猛暑から約25度と涼しくなって、これ以上ない集客条件がそろっていた。ある関係者は「G1級の対応をしていたのですが…」とため息をつく。見込まれた入場者数は、流れ込む中央のファンを含めて通常の3倍にあたる3万人。売上も倍の20億円が期待された。少なくとも朝までに検査キットが用意されていれば開催は可能だっただけに、泣くに泣けない。
流感による開催中止は71年以来2度目。今後、南関東4場ではJRA所属馬、他地区地方競馬所属馬、南関東地区内の競馬場間で転厩する馬、牧場からの入厩馬を制限して防疫を徹底する。20日からの船橋開催、9月2日からの大井開催は予定通り行われるが、ウイルスの侵入阻止が大前提となる。
(2007.08.19 日刊スポーツ)
→か、勘違い!? それはモッタイナーイ! 特に「G1級の対応をしていたのですが…」というのが泣かせる。今後、競馬関係者はこの20億を深く心に刻み、常に先手の動きを心がけないと。
対して、競輪・競艇など他競技はやはり好調だった模様の昨日。深夜のニュースで「1万人近い客でごった返す多摩川ヒラ」の映像が流れたのにはビックリ。本日が二日目の競輪・小田原記念などは、ひょっとすると売上新記録が狙えそうな勢い。うーん、なんて運の良い…。こうなったら選手も精一杯良い競争を見せて盛り上げてほしいものだ。小田原記念といえば、昨年は落車が頻発して、私自身が「落車撲滅運動」を始めたきっかけになった開催。あれからもう1年か…(しみじみ)。