昨日の高松宮杯準決勝・11Rでの岡部芳幸(福島)の走りに非難の声が多い。同県・山崎芳仁の番手で、とコメントして臨んだこの競争、地乗りから手島慶介(群馬)に競りかけられるや、本番でも序盤は競りを受けてたつ素振りを見せたものの、勝負どころで自ら位置を下げて山崎番手を手島に明け渡し、最後は自ら捲り追込んで1着。逃げて2着に残った山崎とのワンツー。いわゆる「現地集合」(久々に聞いたなぁ)というやつだ。この競争に対し、例えば日刊スポーツで中野浩一さんは「番手とコメントしたのだからきちんと番手に行くべき。すんなりなら番手を回って、競りなら脚を溜めて一発狙いなんて身勝手な競争は批判されても仕方がない」とお怒り。私とて他の選手ならそう思っていただろう。しかし、岡部だけは違うのだ、岡部だけは。
彼の不遇は同県に佐藤慎太郎というやんちゃ小僧が現れたところから始まる。「伏見俊昭」との連携でしばらくは安泰・安定と思われた福島ライン。そこに突如現れたこの小僧が「オレ、追込みでやりますんで。岡部さんは自力でしょ? 伏見さんの番手は譲ってください」と言い出した。競輪道にもとるこの発言。本来なら「ふざけるな、この小僧が。脚で俺を抜いてから一人前のことを言え」とガツンと一発で終わりなのだが、岡部はあまりにも人格者(イイ人)すぎた。福島をまとめる、ということを最優先に考えてしまった彼は、それもよかろうと番手を明け渡し、自分は3番手でラインを固めつつ、追込みとも捲り追込みともどっちつかずの競争形態を続けてしまった(事実、何年も前からそうなのに、中野さんもなぜ今頃になって言うかね)。
以後、ご存知の通り福島にはトップクラスの脚力を持つ若手が次々に現れ(山崎、渡辺一、森田、金成、佐々木雄…)、G3以上の決勝では福島を中心とした北日本ラインの隆盛が際立つ。そんな中で「福島をまとめ上げてきた男」岡部の立場は微妙だ。位置的にも、人間的にも。小僧・慎太郎が「福島(北日本)の番手」として定着し、ここ最近は秋田の狂い咲き・有坂直樹までもが3番手からでも突き抜けてくる追込み脚で北日本ラインに台頭してきた。以前と戦法・脚勢共にほとんど変わらない(それ自体スゴイことなのだが)岡部の居場所はますますもってなくなってきているように感じる。福島内の人間関係という点においても、伏見−慎太郎−山崎ラインがハバをきかせ、岡部の周囲は寂しそうな気配。「え? 福島は…北日本は…俺がまとめてきたのに…」という岡部の心中は察して余りある。そして自分が勝たんがために一瞬のうちに判断したのであろう昨日のような競争をすると、キング・中野からもお叱りをくらう。「俺は、俺はいったいどうすればいいんだぁっ!」と煩悶する岡部の気持ちは、上下からの圧力に挟み打たれる中間管理職の悲哀そのもの。そんな可哀想な岡部課長(小嶋のことをよく「社長」というが、岡部には哀しいほど「課長」がぴったりだ)を、「身勝手な競争」の一言で、まるで全盛期の児玉広志(香川)のような扱いをするのはいかがなものかと思うが。
そんなわけで岡部はイイ奴なのである。ただ、あまりに人格者すぎて、最近の若者からは「なんかウゼェんだよなあの先輩」扱いされていると。真実は知らないが、私にはそう見える。昨日の番手放棄とて、彼からしてみれば、人気筋であった山崎=岡部の車券を紙クズにさせないための客思いな作戦変更だったと解釈したい。かように私は岡部が好きである。「今、一番サシで呑んでみたい競輪選手」だ。屋台のおでん屋かなにかで、ぜひそのあたりの本音・悲哀を聞いてみたいものだ。
さきほど掲示板に本日の決勝の予想を書いたが、岡部からの2車単総流しにしようかな、と思っているここ数時間である。ガンバレ岡部! 自力で出てしまえ!
児玉選手の話を出したが、脚はあるのに人気にならないという点で、車券的に往時の児玉は大好きだった私(実際、彼の勝った特別決勝は全て車券ゲット)。岡部にも、そうした車券的ウマ味の高い選手になっていただきたい。今後は一挙に悪役になってもいいんでない? ただ、事前に戦法や位置を断言しちゃうと後から非難されるので、コメントはのらりくらりと、がコツ。
■いよいよ連載開始!「賛成派」が業界へ殴りこみ〜東京・全国
以前予告した『週間レース』誌でのワタクシの連載ページが、いよいよ明日発売の6月20日号よりスタートいたします。ページタイトルはその名も「公営レース賛成派」(まんまだ)。毎号2ページで、とりあえず当初10回は「業界への提言」編。その後もページがいただければ更にバラエティ色豊かな「公営競技面白・エンターテイメントページ」として続けてゆくつもりです。雑誌のお求めはレース場売店、周辺コンビニ、書店などで。どうしても入手できない方は「Web週間レース」でも本文を掲載されるそうなので、そちらでご覧を。ありきたりですが「ご意見・ご感想などお待ちしております(ホントに聞きたい)!」
==========
6月4日(日)はココで勝負!
【ばんえい旭川11R 旭川記念】BG3 4歳 オープン 定量(牡700・牝680)
1-1 カネサブラック 大河原
2-2 コブライチ 尾ヶ瀬
3-3 ナリタボブサップ 鈴木恵
4-4 カネタマル 藤野
5-5 キタノカイザー 安部憲
6-6 シンエイスター 高橋
7-7 エンジュダイヤ 西
7-8 マシュウキング 鈴木勝
8-9 スーパークリントン 坂本
8-10スーパーロイヤル 藤本
本命はスーパークリントンだが、隣のスーパーロイヤルもそこそこ人気しそうで、8枠に偏っているのが気に入らない。最も早い1着走破タイムを持ち、旭川成績も秀でたカネサブラックを中心に。穴は前走4着を上り調子とみるカネタマル(名前もイイよねぇ)、そして騎手的には今回は西が一発やりそうな気がする! ので。
枠連 1−10
馬連 1−4 1−7
【大津びわこ 11R 決勝戦】電投締切16:25
←1山崎芳仁−3佐藤慎太郎−5岡部芳幸
6井上昌己−2山口富生−8山内卓也
7兵藤一也−4坂本英一
9村本大輔
兵藤がどこに行くかがカギで、新聞予想などでは「慎太郎には競りづらいので岡部へ」という意見が多いようだが、行くからには番手にいくだろうし、昨日のインタビューでの不敵な笑みを見ると、結論としては「競らない」。脚はかなり好調なようで、山崎が逃げるにしても井上が突っ張るにしても、その4番手に入っての捲り追込み狙いとみる。そうすると無風で回れる番手選手が有利で、そこのスジと兵藤絡みで車券はOK。このところド不調の私に乗ってみないか!?
2車単 3−1 3=5 3=7 2−8 2=7
心情車券 5−全
彼の不遇は同県に佐藤慎太郎というやんちゃ小僧が現れたところから始まる。「伏見俊昭」との連携でしばらくは安泰・安定と思われた福島ライン。そこに突如現れたこの小僧が「オレ、追込みでやりますんで。岡部さんは自力でしょ? 伏見さんの番手は譲ってください」と言い出した。競輪道にもとるこの発言。本来なら「ふざけるな、この小僧が。脚で俺を抜いてから一人前のことを言え」とガツンと一発で終わりなのだが、岡部はあまりにも人格者(イイ人)すぎた。福島をまとめる、ということを最優先に考えてしまった彼は、それもよかろうと番手を明け渡し、自分は3番手でラインを固めつつ、追込みとも捲り追込みともどっちつかずの競争形態を続けてしまった(事実、何年も前からそうなのに、中野さんもなぜ今頃になって言うかね)。
以後、ご存知の通り福島にはトップクラスの脚力を持つ若手が次々に現れ(山崎、渡辺一、森田、金成、佐々木雄…)、G3以上の決勝では福島を中心とした北日本ラインの隆盛が際立つ。そんな中で「福島をまとめ上げてきた男」岡部の立場は微妙だ。位置的にも、人間的にも。小僧・慎太郎が「福島(北日本)の番手」として定着し、ここ最近は秋田の狂い咲き・有坂直樹までもが3番手からでも突き抜けてくる追込み脚で北日本ラインに台頭してきた。以前と戦法・脚勢共にほとんど変わらない(それ自体スゴイことなのだが)岡部の居場所はますますもってなくなってきているように感じる。福島内の人間関係という点においても、伏見−慎太郎−山崎ラインがハバをきかせ、岡部の周囲は寂しそうな気配。「え? 福島は…北日本は…俺がまとめてきたのに…」という岡部の心中は察して余りある。そして自分が勝たんがために一瞬のうちに判断したのであろう昨日のような競争をすると、キング・中野からもお叱りをくらう。「俺は、俺はいったいどうすればいいんだぁっ!」と煩悶する岡部の気持ちは、上下からの圧力に挟み打たれる中間管理職の悲哀そのもの。そんな可哀想な岡部課長(小嶋のことをよく「社長」というが、岡部には哀しいほど「課長」がぴったりだ)を、「身勝手な競争」の一言で、まるで全盛期の児玉広志(香川)のような扱いをするのはいかがなものかと思うが。
そんなわけで岡部はイイ奴なのである。ただ、あまりに人格者すぎて、最近の若者からは「なんかウゼェんだよなあの先輩」扱いされていると。真実は知らないが、私にはそう見える。昨日の番手放棄とて、彼からしてみれば、人気筋であった山崎=岡部の車券を紙クズにさせないための客思いな作戦変更だったと解釈したい。かように私は岡部が好きである。「今、一番サシで呑んでみたい競輪選手」だ。屋台のおでん屋かなにかで、ぜひそのあたりの本音・悲哀を聞いてみたいものだ。
さきほど掲示板に本日の決勝の予想を書いたが、岡部からの2車単総流しにしようかな、と思っているここ数時間である。ガンバレ岡部! 自力で出てしまえ!
児玉選手の話を出したが、脚はあるのに人気にならないという点で、車券的に往時の児玉は大好きだった私(実際、彼の勝った特別決勝は全て車券ゲット)。岡部にも、そうした車券的ウマ味の高い選手になっていただきたい。今後は一挙に悪役になってもいいんでない? ただ、事前に戦法や位置を断言しちゃうと後から非難されるので、コメントはのらりくらりと、がコツ。
■いよいよ連載開始!「賛成派」が業界へ殴りこみ〜東京・全国
以前予告した『週間レース』誌でのワタクシの連載ページが、いよいよ明日発売の6月20日号よりスタートいたします。ページタイトルはその名も「公営レース賛成派」(まんまだ)。毎号2ページで、とりあえず当初10回は「業界への提言」編。その後もページがいただければ更にバラエティ色豊かな「公営競技面白・エンターテイメントページ」として続けてゆくつもりです。雑誌のお求めはレース場売店、周辺コンビニ、書店などで。どうしても入手できない方は「Web週間レース」でも本文を掲載されるそうなので、そちらでご覧を。ありきたりですが「ご意見・ご感想などお待ちしております(ホントに聞きたい)!」
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6月4日(日)はココで勝負!
【ばんえい旭川11R 旭川記念】BG3 4歳 オープン 定量(牡700・牝680)
1-1 カネサブラック 大河原
2-2 コブライチ 尾ヶ瀬
3-3 ナリタボブサップ 鈴木恵
4-4 カネタマル 藤野
5-5 キタノカイザー 安部憲
6-6 シンエイスター 高橋
7-7 エンジュダイヤ 西
7-8 マシュウキング 鈴木勝
8-9 スーパークリントン 坂本
8-10スーパーロイヤル 藤本
本命はスーパークリントンだが、隣のスーパーロイヤルもそこそこ人気しそうで、8枠に偏っているのが気に入らない。最も早い1着走破タイムを持ち、旭川成績も秀でたカネサブラックを中心に。穴は前走4着を上り調子とみるカネタマル(名前もイイよねぇ)、そして騎手的には今回は西が一発やりそうな気がする! ので。
枠連 1−10
馬連 1−4 1−7
【大津びわこ 11R 決勝戦】電投締切16:25
←1山崎芳仁−3佐藤慎太郎−5岡部芳幸
6井上昌己−2山口富生−8山内卓也
7兵藤一也−4坂本英一
9村本大輔
兵藤がどこに行くかがカギで、新聞予想などでは「慎太郎には競りづらいので岡部へ」という意見が多いようだが、行くからには番手にいくだろうし、昨日のインタビューでの不敵な笑みを見ると、結論としては「競らない」。脚はかなり好調なようで、山崎が逃げるにしても井上が突っ張るにしても、その4番手に入っての捲り追込み狙いとみる。そうすると無風で回れる番手選手が有利で、そこのスジと兵藤絡みで車券はOK。このところド不調の私に乗ってみないか!?
2車単 3−1 3=5 3=7 2−8 2=7
心情車券 5−全