昨日から始まっている小倉・競輪祭は、2日連続で平原−神山の関東ラインがドームを席捲し、神山が共に差して連勝。まだそれほど騒がれてはいないが、この平原−神山ラインって、向こう数年間は競輪史に残るクラスの(中野−井上に匹敵する)鉄板ラインになるんじゃないか? 平原の実力上昇曲線と、神山の完全追込型への転換(ホントにいい番手仕事するもんな)が、絶妙のタイミングで合致してできたラインのような気がするのだよ。そんでもって、今日も配当は2車単14倍。オイシイ今のうちに買っておかんと。
さて、前述の通り火曜日は、近未来の公営競技業界をしょって立ち…そうな「日本トーター株式会社」さんからお招きをいただき、品川の同社に伺っての意見交換をさせていただいた。同社といえば、本来はレース場にある発券機のメーカーであり、現在はオート3場(船橋・浜松・山陽)と競輪2場(豊橋・岸和田)の業務受託を行っているという、公営競技に関してはプロ中のプロで、何を今さら私などと意見交換を…と、ちょっと不思議ではあったのだが、お相手いただいたのは「営業開発課」という部署の方々。こちらはつい最近発足されたばかりだそうで、ぶっちゃけ「今後の公営競技をどう盛り上げてゆくか」というコトを日々検討するのが業務なのだそう。おお、それならば仲間ですね、というわけで瞬時に意気投合し、白熱のテーブルとなった。こちらからは今まで業界に向けて提言してきたことなどを整理してお話し、逆に先方からは私が気づかなかった新しい見方や、我々が本来、民間委託に期待するところである「民ならではのフットワークとセンスをもった具体的運営案」などもお聞かせいただき、非常に有意義な会談に。
これまで私は同社のことを「あれじゃ武器商人だ」と思ったり言ったり書いたりしてきた。それは本年度から業務受託を開始した船橋オートの様子を見て、である。5月に取材にお邪魔した際、昔は人も沢山いて賑やかだった施行ルーム(開催本部)には、トーター社からの職員さんが二人きり(!)。今後の運営・方向性などについて取材をしても何か覇気が感じられず、正直「大丈夫か?」と思ったものだ。その後、場内改革は進んだものの、その流れはといえば「縮小」の一途で、昔は賑わっていたバック側スタンド周辺を閉鎖し、客を海側に誘導。現在では正門入ってすぐの大テント内にいた予想屋さんなども全て移動させられたようだ。結果的に客席スペースが往年の半分、ということに。これには知り合いの地元客も皆口を揃えて「寂しい」という。レジャー場として一番大切な「賑わい」からどんどん遠ざかる運営方針には首を傾げざるを得なかった。どんどん寂しく、うらぶれてゆく場内の中で、新品ピカピカのトーター製発券機のみが異彩を放つ。こりゃ発券機商売が目的で、オートを残そうなんて気はないんじゃないか…とまで思った。それで出てきた言葉が「武器商人」である。
…で、急に寝返るようで恐縮だが、今回の会談を経て「武器商人」はあっさり撤回いたします。今回、上記のような新部署を編成し、その方々のお話の内容からも、積極的にレース場運営に乗り出そうという意思を強く感じましたので。やっぱり人間、実際話してみなきゃわからないものだ。
■知事選4候補予定者に賛否 岩手競馬存続
24日に知事選(3月22日告示、4月8日投票)への出馬を表明した前滝沢村長の柳村純一氏(56)は、巨額負債を抱える県競馬組合の存廃問題について「端的にやめるべきだ」と廃止する考えを示した。構成団体の県、盛岡、奥州両市は、巨額負債を整理するために、同組合への融資関連議案を県議会2月定例会や両市議会3月定例会に提案する予定。今後の動向によっては、知事選の争点として浮上する可能性が出てきた。
柳村氏は24日の出馬会見で「2月議会で方向を示すようなので、いつやめるとかは現時点で申し上げられないが、客の価値観が変わってきており、未来はない。早く決断すべきだと思う。やめる方向で考えるのがベストだと思う」と持論を述べた。
岩手競馬の存廃問題で、県、盛岡市、奥州市は約330億円を同組合に融資する方針。2月から3月にかけて招集される各議会で融資関連議案が可決されれば存続、否決されれば廃止となる。巨額の公費を投入するだけに県民の関心も高い。
知事選に立候補予定の盛岡市の会社役員芦名鉄雄氏(61)は「このまま県の役人が携わるならば廃止した方がいい」との立場。「役人が机上の計算で運営するのではなく、長年携わってきた馬主や民間に施設や権利などを売却し、運営を任せるべきだ」と主張する。
いわて労連前議長の菅野恒信氏(61)は「廃止は前提だが、地域経済に与える影響が大きい。水沢1場体制について真剣に検討する必要がある。税金の投入(構成団体による融資)は許さず、金融機関が長期の返済計画を立てられないか議論する余地がある」とする。
民主党県連代表で岩手1区選出の衆院議員達増拓也氏(42)は「毎年、黒字が出て県や市財政に貢献できるなら存続すべきだし、できないなら廃止すべき。現在、提案されている計画は合理的で、今すぐやめると決めつけることはできない」と説明する。
増田知事を招いたマニフェスト検証大会を2月9日に盛岡市で開く盛岡青年会議所・まちのかたち創造委員会の佐々木斉委員長は「廃止、存続どちらにしても、有権者に分かりやすい政策を示すことは地域住民として歓迎する。競馬問題は避けられない問題ととらえており、各候補者にも明確に示してほしい。3月に予定する公開討論会の中でもこの問題を取り上げたい」とした上で、「存続、廃止どちらにしても、いつまでに何をやるのか、財源はどうするのかなど具体的な方針を示すことが必要だ」と注文する。
(2007.01.25 岩手日報)
→融資〜存続の流れができた、と思い、しばらく気に留めていなかった岩手競馬だが、これは暗雲。現職の増田知事の力で極力存続の方向に向けていただけに、新知事が反対派では……。ただ、どう考えても330億の融資を受けたところで返せるアテはなく、やはり(こうなったからには)、融資額を最小限にとどめる具体的再建案を早急に提示する必要がありそう。
ま、正直なところ「知事が代わったら突然廃止の方向に」なんてこと自体が納得いかないのだが。多くの人間が楽しんでいる競馬場が、一人や二人の政治家に動向を決められるというのはなぁ(怒)。
さて、前述の通り火曜日は、近未来の公営競技業界をしょって立ち…そうな「日本トーター株式会社」さんからお招きをいただき、品川の同社に伺っての意見交換をさせていただいた。同社といえば、本来はレース場にある発券機のメーカーであり、現在はオート3場(船橋・浜松・山陽)と競輪2場(豊橋・岸和田)の業務受託を行っているという、公営競技に関してはプロ中のプロで、何を今さら私などと意見交換を…と、ちょっと不思議ではあったのだが、お相手いただいたのは「営業開発課」という部署の方々。こちらはつい最近発足されたばかりだそうで、ぶっちゃけ「今後の公営競技をどう盛り上げてゆくか」というコトを日々検討するのが業務なのだそう。おお、それならば仲間ですね、というわけで瞬時に意気投合し、白熱のテーブルとなった。こちらからは今まで業界に向けて提言してきたことなどを整理してお話し、逆に先方からは私が気づかなかった新しい見方や、我々が本来、民間委託に期待するところである「民ならではのフットワークとセンスをもった具体的運営案」などもお聞かせいただき、非常に有意義な会談に。
これまで私は同社のことを「あれじゃ武器商人だ」と思ったり言ったり書いたりしてきた。それは本年度から業務受託を開始した船橋オートの様子を見て、である。5月に取材にお邪魔した際、昔は人も沢山いて賑やかだった施行ルーム(開催本部)には、トーター社からの職員さんが二人きり(!)。今後の運営・方向性などについて取材をしても何か覇気が感じられず、正直「大丈夫か?」と思ったものだ。その後、場内改革は進んだものの、その流れはといえば「縮小」の一途で、昔は賑わっていたバック側スタンド周辺を閉鎖し、客を海側に誘導。現在では正門入ってすぐの大テント内にいた予想屋さんなども全て移動させられたようだ。結果的に客席スペースが往年の半分、ということに。これには知り合いの地元客も皆口を揃えて「寂しい」という。レジャー場として一番大切な「賑わい」からどんどん遠ざかる運営方針には首を傾げざるを得なかった。どんどん寂しく、うらぶれてゆく場内の中で、新品ピカピカのトーター製発券機のみが異彩を放つ。こりゃ発券機商売が目的で、オートを残そうなんて気はないんじゃないか…とまで思った。それで出てきた言葉が「武器商人」である。
…で、急に寝返るようで恐縮だが、今回の会談を経て「武器商人」はあっさり撤回いたします。今回、上記のような新部署を編成し、その方々のお話の内容からも、積極的にレース場運営に乗り出そうという意思を強く感じましたので。やっぱり人間、実際話してみなきゃわからないものだ。
■知事選4候補予定者に賛否 岩手競馬存続
24日に知事選(3月22日告示、4月8日投票)への出馬を表明した前滝沢村長の柳村純一氏(56)は、巨額負債を抱える県競馬組合の存廃問題について「端的にやめるべきだ」と廃止する考えを示した。構成団体の県、盛岡、奥州両市は、巨額負債を整理するために、同組合への融資関連議案を県議会2月定例会や両市議会3月定例会に提案する予定。今後の動向によっては、知事選の争点として浮上する可能性が出てきた。
柳村氏は24日の出馬会見で「2月議会で方向を示すようなので、いつやめるとかは現時点で申し上げられないが、客の価値観が変わってきており、未来はない。早く決断すべきだと思う。やめる方向で考えるのがベストだと思う」と持論を述べた。
岩手競馬の存廃問題で、県、盛岡市、奥州市は約330億円を同組合に融資する方針。2月から3月にかけて招集される各議会で融資関連議案が可決されれば存続、否決されれば廃止となる。巨額の公費を投入するだけに県民の関心も高い。
知事選に立候補予定の盛岡市の会社役員芦名鉄雄氏(61)は「このまま県の役人が携わるならば廃止した方がいい」との立場。「役人が机上の計算で運営するのではなく、長年携わってきた馬主や民間に施設や権利などを売却し、運営を任せるべきだ」と主張する。
いわて労連前議長の菅野恒信氏(61)は「廃止は前提だが、地域経済に与える影響が大きい。水沢1場体制について真剣に検討する必要がある。税金の投入(構成団体による融資)は許さず、金融機関が長期の返済計画を立てられないか議論する余地がある」とする。
民主党県連代表で岩手1区選出の衆院議員達増拓也氏(42)は「毎年、黒字が出て県や市財政に貢献できるなら存続すべきだし、できないなら廃止すべき。現在、提案されている計画は合理的で、今すぐやめると決めつけることはできない」と説明する。
増田知事を招いたマニフェスト検証大会を2月9日に盛岡市で開く盛岡青年会議所・まちのかたち創造委員会の佐々木斉委員長は「廃止、存続どちらにしても、有権者に分かりやすい政策を示すことは地域住民として歓迎する。競馬問題は避けられない問題ととらえており、各候補者にも明確に示してほしい。3月に予定する公開討論会の中でもこの問題を取り上げたい」とした上で、「存続、廃止どちらにしても、いつまでに何をやるのか、財源はどうするのかなど具体的な方針を示すことが必要だ」と注文する。
(2007.01.25 岩手日報)
→融資〜存続の流れができた、と思い、しばらく気に留めていなかった岩手競馬だが、これは暗雲。現職の増田知事の力で極力存続の方向に向けていただけに、新知事が反対派では……。ただ、どう考えても330億の融資を受けたところで返せるアテはなく、やはり(こうなったからには)、融資額を最小限にとどめる具体的再建案を早急に提示する必要がありそう。
ま、正直なところ「知事が代わったら突然廃止の方向に」なんてこと自体が納得いかないのだが。多くの人間が楽しんでいる競馬場が、一人や二人の政治家に動向を決められるというのはなぁ(怒)。