大阪から戻って10日。
体重はまたちょっと戻った感じ…だったはずが。
小倉競輪祭は『新橋らいん』最新号でも「今年は苦しむ」と予想したはずの山崎芳があっさり獲り(それにしても…いや、確かにあの捲りのスピードは凄かった)、同じ日には手島慶介元選手の悲報が。
今だにその死因や背景について業界雀は色々と噂しているようで、私の耳にも入ってくるが、漠然と感じるのは、これこそ「競輪は社会の縮図」というべきか。
売上下降の一途をたどる競輪界で、選手は先行きに不安を感じ、稼ぐ選手の一部は引退後の備えとして副業に走る。商売が上手くいくかどうかは競輪選手としての実力とは全く無関係の世界。失敗すれば本業にも影響は大だし、極端な場合は今回のようなことに…
ともかく今回の手島元選手の件に関しては、昨年の内田慶元選手の場合と違って、本業とは関係ないところでの死であり(本業ではG1を獲った直後だ!)、もちろん残念なのだが、何か釈然としないものが残る。後世からは「公営競技斜陽化が招いた象徴的出来事」と云われるのではないだろうか。ともかく慎んでご冥福をお祈りしたい。
さて、昨日まで5日間ほどはいくつかの仕事とプライベート旅行を兼ね、真冬の北海道に。
まず最初に入った網走では、流氷を楽しむ日程が、今年は例年にない着岸の遅さ。連日の強風で砕氷船は出ず。たとえ出たところで流氷は無し、という非常に残念な結果に。
しかし、転んでもタダでは起きないのがこちとら。何せ氷点下12度の厳寒の中、モタモタしてた日にゃぁ鼻毛が凍っちまう。流氷は諦め、大阪同様の「食い倒れ旅」にスパッと切り替えるべく現地で情報収集。網走が誇る珍味である「かにの内子」を中心に心ゆくまで堪能。
内子はかにの未成熟状態の卵巣。色味とは全く違う味わいで、塩で良し醤油で良し。独特の濃厚な味覚を持つ、私的には国内最高の珍味。網走にお越しの際にはぜひ。
この内子をいただいた市中の某寿司店で「これを目当てで来た」旨を話すと、その場で主人と意気投合。更に話は盛り上がる。内子をこうしたルイベ状のスタイルで凍らせて供したのは当店が元祖で、それが評判を呼び、今では網走中の飲食店に広まったのだそう。これがホントの元祖の味。更に勧められるがままにコイツを握りでも頂く。
「札幌の両親にもぜひ味あわせてやりたいが、網走に来ないとだめですかね」と相談。
帰り際にタッパーに入れた内子をそっと渡され、
「サービスだよ。もう一回凍らせても味は落ちないから。食べさせてやんな」と…。
いい話でしょう。もちろん実話。
網走2軒目へと移る車中で、競輪仲間の某場予想屋君からメール。「豊橋、西川親幸の優勝。ありえないっす…」。彼は予想を外した模様だが、こちらは酔った頭で「ふむ。今年は紫原ではなく、西川がGPを最後まで争うのか?」と呑気に推察。
地元で評判の豪快居酒屋は、その名も『かあちゃん』。夕方からの吹雪のせいか、客はまばらで、いきなり個室にイン。飲んでそのまま泊まれそうな部屋。TV有。飲み直しメニューとして頼んだマグロ刺し、ポテト揚げ、どれもが美味は素敵だが、なにしろ量が多い! とどめは玉子焼き。
品書きには「玉子焼き・小」と「玉子焼き・大(卵25個分)」とあり、もちろん「小を…」と頼むも、現れたるはこの巨体。食べ残すとお会計時にいつの間にか包まれた玉子焼きを渡され、翌朝、ホテルのベッド脇には冷めきって油の浮いた玉子焼きの山が。ちょこっとだけツマミましたがね。
今回の網走は「内子と玉子焼き」。
お次はJR釧網線で釧路へ。3時間半のローカル鈍行の旅を楽しんでいる最中にも東京からいくつかの電話が。通話料がいくらかかっているのか知らないので、こちらが今どこにいるかは伏せておく。もちろん不在通知があってもこちらからかけることはしない。急ぐ用事は旅立ち前に全て済ませてある…はず。
競輪・武田豊樹の故郷である知床斜里駅。どやどやと物売りが乗り込んでくる。長い停車時間を利用して車内で売り口上を始めるオジサン。
売り物はヨーグルト、シュークリームなどのスイーツ系から弁当類まで。
「生ビールもあります!」の言葉に耳を疑う。車中をずんずん進んでくるオジサンの背中を見ると、野球場の売り子のごとき背負いのビールピッチャーが!?
長年全国を旅しているが、車内で生ビールを飲めるローカル線は初めてだ。どこまでも素敵な道東。
飲りながら車窓を眺めていると、はるか向こうには世界遺産・知床の山々、そして阿寒・摩周の原生林。
線路際には時折エゾシカの群れを肉眼で確認。釧路湿原に入ってからは天然記念物・丹頂鶴を乗りながらにして観察できるという贅沢な路線を約5年ぶりに味わい、釧路着。
体重はまたちょっと戻った感じ…だったはずが。
小倉競輪祭は『新橋らいん』最新号でも「今年は苦しむ」と予想したはずの山崎芳があっさり獲り(それにしても…いや、確かにあの捲りのスピードは凄かった)、同じ日には手島慶介元選手の悲報が。
今だにその死因や背景について業界雀は色々と噂しているようで、私の耳にも入ってくるが、漠然と感じるのは、これこそ「競輪は社会の縮図」というべきか。
売上下降の一途をたどる競輪界で、選手は先行きに不安を感じ、稼ぐ選手の一部は引退後の備えとして副業に走る。商売が上手くいくかどうかは競輪選手としての実力とは全く無関係の世界。失敗すれば本業にも影響は大だし、極端な場合は今回のようなことに…
ともかく今回の手島元選手の件に関しては、昨年の内田慶元選手の場合と違って、本業とは関係ないところでの死であり(本業ではG1を獲った直後だ!)、もちろん残念なのだが、何か釈然としないものが残る。後世からは「公営競技斜陽化が招いた象徴的出来事」と云われるのではないだろうか。ともかく慎んでご冥福をお祈りしたい。
さて、昨日まで5日間ほどはいくつかの仕事とプライベート旅行を兼ね、真冬の北海道に。
まず最初に入った網走では、流氷を楽しむ日程が、今年は例年にない着岸の遅さ。連日の強風で砕氷船は出ず。たとえ出たところで流氷は無し、という非常に残念な結果に。
しかし、転んでもタダでは起きないのがこちとら。何せ氷点下12度の厳寒の中、モタモタしてた日にゃぁ鼻毛が凍っちまう。流氷は諦め、大阪同様の「食い倒れ旅」にスパッと切り替えるべく現地で情報収集。網走が誇る珍味である「かにの内子」を中心に心ゆくまで堪能。
内子はかにの未成熟状態の卵巣。色味とは全く違う味わいで、塩で良し醤油で良し。独特の濃厚な味覚を持つ、私的には国内最高の珍味。網走にお越しの際にはぜひ。
この内子をいただいた市中の某寿司店で「これを目当てで来た」旨を話すと、その場で主人と意気投合。更に話は盛り上がる。内子をこうしたルイベ状のスタイルで凍らせて供したのは当店が元祖で、それが評判を呼び、今では網走中の飲食店に広まったのだそう。これがホントの元祖の味。更に勧められるがままにコイツを握りでも頂く。
「札幌の両親にもぜひ味あわせてやりたいが、網走に来ないとだめですかね」と相談。
帰り際にタッパーに入れた内子をそっと渡され、
「サービスだよ。もう一回凍らせても味は落ちないから。食べさせてやんな」と…。
いい話でしょう。もちろん実話。
網走2軒目へと移る車中で、競輪仲間の某場予想屋君からメール。「豊橋、西川親幸の優勝。ありえないっす…」。彼は予想を外した模様だが、こちらは酔った頭で「ふむ。今年は紫原ではなく、西川がGPを最後まで争うのか?」と呑気に推察。
地元で評判の豪快居酒屋は、その名も『かあちゃん』。夕方からの吹雪のせいか、客はまばらで、いきなり個室にイン。飲んでそのまま泊まれそうな部屋。TV有。飲み直しメニューとして頼んだマグロ刺し、ポテト揚げ、どれもが美味は素敵だが、なにしろ量が多い! とどめは玉子焼き。
品書きには「玉子焼き・小」と「玉子焼き・大(卵25個分)」とあり、もちろん「小を…」と頼むも、現れたるはこの巨体。食べ残すとお会計時にいつの間にか包まれた玉子焼きを渡され、翌朝、ホテルのベッド脇には冷めきって油の浮いた玉子焼きの山が。ちょこっとだけツマミましたがね。
今回の網走は「内子と玉子焼き」。
お次はJR釧網線で釧路へ。3時間半のローカル鈍行の旅を楽しんでいる最中にも東京からいくつかの電話が。通話料がいくらかかっているのか知らないので、こちらが今どこにいるかは伏せておく。もちろん不在通知があってもこちらからかけることはしない。急ぐ用事は旅立ち前に全て済ませてある…はず。
競輪・武田豊樹の故郷である知床斜里駅。どやどやと物売りが乗り込んでくる。長い停車時間を利用して車内で売り口上を始めるオジサン。
売り物はヨーグルト、シュークリームなどのスイーツ系から弁当類まで。
「生ビールもあります!」の言葉に耳を疑う。車中をずんずん進んでくるオジサンの背中を見ると、野球場の売り子のごとき背負いのビールピッチャーが!?
長年全国を旅しているが、車内で生ビールを飲めるローカル線は初めてだ。どこまでも素敵な道東。
飲りながら車窓を眺めていると、はるか向こうには世界遺産・知床の山々、そして阿寒・摩周の原生林。
線路際には時折エゾシカの群れを肉眼で確認。釧路湿原に入ってからは天然記念物・丹頂鶴を乗りながらにして観察できるという贅沢な路線を約5年ぶりに味わい、釧路着。